2023.03.11
美濃焼(みのやき)とは
美濃焼(みのやき)は、岐阜県の東濃地方で作られている焼き物です。歴史と伝統に支えられながら、現在の生活にも溶け込んでいます。美濃焼の特徴は多様な種類が存在することです。美濃焼は1つの様式を持たず、15種類が伝統工芸品として指定されています。
代表的なものは千利休によって確立され古田織部の美学によって作られた「織部」です。主に瀬戸黒天正年間に焼成されたため、天正黒・引き出し黒という呼称もあります。緑釉(りょくゆう)の深い色と個性的な形、幾何学的紋様の装飾が魅力で、作風によって黒織部・青織部・総織部などの種類があります。また「志野」は、釉薬(ゆうやく)の下に絵付けが施されたという点で、日本の陶器の歴史上で画期的な焼き物とされています。薄紅色が美しく、長石釉(ちょうせきゆう)による気泡状の風合いがある志野の最盛期は桃山時代でした。
人間国宝の荒川豊蔵が尽力し、江戸時代にいったん姿を消した志野を再現し、現代にも息づいています。同様に近代になって再注目された「黄瀬戸(きぜと)」は、控えめで素朴な趣きがあり、人気のある美濃焼です。
