2025.06.07

紀州漆器とは

紀州漆器(きしゅうしっき)は、和歌山県海南市の北西部にある黒江地区を中心に作られている漆器です。そのため、紀州漆器は黒江塗り(くろえぬり)とも呼ばれています。
紀州漆器の特徴は、シンプルで丈夫、日常生活で気軽に使える実用的なところです。紀州漆器は、江戸時代から庶民の日用品として親しまれてきました。
また、紀州漆器は、朱塗りの表面から下地の黒が浮き出た文様でも有名です。この文様は、和歌山県岩出市にある根来寺(ねごろでら)で始まった根来塗(ねごろぬり)が起源となっています。
根来塗は、僧侶たちが寺で使用する膳・椀・盆・厨子などを自ら作ったことに始まります。そもそも寺で日常的に使う実用品だったため、根来塗は黒漆で下塗りをし、その上に朱漆を塗っただけで仕上げるシンプルなものでした。そのため、使用中に表面の朱塗りが摩耗して下塗りの黒漆がところどころ表に現れて朱と黒の文様ができ、それがかえって趣があるとして喜ばれました。
紀州漆器は、伝統的な根来塗風の漆器に加えて、蒔絵(まきえ)などの装飾がなされた漆器、合成樹脂素材の大量生産品などさまざまなニーズに応えています。

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